【セレッソ大阪】差は縮まったが勝てない川崎戦・レビュー
リーグ開幕節となった柏レイソル戦では、相手選手の退場もあり2-0と勝利を収めたセレッソ大阪。
今日はACLの影響で先倒しに開催される第11節を戦うため、川崎に乗り込んだ。
通算対戦成績はセレッソの8勝4分6敗と勝ち越しているが、昨年はシーズンダブルをくらっている相手だ。
両チームのスタメン
川崎は、スーパーカップ・G大阪戦とJリーグ・横浜FM戦に続き、3試合連続で同じスタメンとなった。
一方のセレッソは奥埜と豊川が欠場。藤田直之と高木俊之が今季初スタメンとなった。また、原川力と大久保嘉人は古巣戦となった。
ダミアンを捕まえきれなかった西尾と、スペースをカバーできなかった瀬古
前節はクリスティアーノ(柏レイソル)を完璧に抑え込み、MOM級の活躍だった西尾。前節で得た自信を胸に今節に臨んだが、元セレソンのレアンドロ・ダミアンは甘くなかった。
セレッソの守備陣形は、トップ下の清武が2トップの位置に出てくる4-4-2。最終ラインでは西尾がレアンドロ・ダミアンのマークに付いた。
しかし、西尾は1,2失点目のクロス対応で遅れをとり、3失点目では簡単にポストプレーを許した。3失点とも、ダミアンにやられてしまった。
西尾の相方を務めた瀬古は、誰かのマークに付くわけではなく、空いたスペースを埋めるような役回りだったように感じた。田中碧や脇坂の飛び出しに対応したかったのだろう。
その策がうまくいけばよかったのだが、終始微妙なポジショニングになってしまい、失点時もエリア内への侵入を簡単に許した。
そして、この二人が混乱してしまうことにより、ゲームの主導権を渡してしまうことになる。
分厚い川崎の中盤。試合はハーフコートゲームへ・・・
基本的には縦パスをバンバン通せる瀬古と西尾だが、この試合ではうまくいかなかった。
前節の柏レイソル戦では、相手が1人少なくなったこともあり、最終ラインでも余裕をもってパスを繋ぐことができた。その結果、西尾は95.5%、瀬古は84.1%のパス成功率を記録した。
しかし、今節は西尾が84.4%、瀬古が78%のパス成功率となった。
強力な攻撃の対応を迫られる中、ボールを奪っても川崎はレベル違いの即時奪回にチャレンジしてくる。なんとかパスを繋ごうとするも、川崎のコンパクトかつ速いプレッシングに遭い、ボールはなかなか清武や大久保まで繋がらない。
この悪循環が重なりメンタルがネガティブになると、パスはだんだんラフになり、最終的にはクリアのようなボールとなってしまった。
スーパーゴールを含む2失点はあったものの、川崎はいつも通りのサッカーを展開した。
最終的に、ボール支配率は川崎の70%となり、上のグラフからも分かるように、ほとんどの時間帯で川崎が攻め続けた。
これこそが、現在のJリーグで"最強のサッカー"である。