【分析】ヘタフェってどんなチーム?
久保の移籍が噂されるヘタフェCF。
3年連続で一桁順位を達成し、昨季はEL(ヨーロッパリーグ)にも出場したチームは、いったいどのような選手がいて、どのような戦い方をするのだろうか。
1. チーム概要
・1946年に設立され、1983年に再設立。
・プリメーラ・ディビジョン(1部)初参戦は2004-2005シーズン。
・同じマドリードの名門クラブ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードと関係が良く、そのためレアル・マドリード、アトレティコ・マドリードから若手選手をレンタルで獲得することも多い。
・レガネスの対決は、サウス・マドリード・ダービーと呼ばれる。(ヘタフェの3勝2分1敗)
2. 最近5年間の成績
3. 鬼軍曹指揮官のサッカー
ヘタフェの監督は今季で5年目を迎えるホセ・ボルダラス監督。就任当時は2部にいたクラブをEL出場まで導いた。
チームスタイルは、自慢のインテンシティ(強さ・激しさ)を活かした堅守速攻。17節終了時点の現在(1試合未消化)16位につけるヘタフェは、得点数こそ12得点とリーグワースト2位だが、対照的に17失点はビジャレアルと並んでリーグ7位の少なさだ。
このように、パス回数・シュート本数・ドリブル回数などの攻撃的な数値はリーグ下位となっている。これは昨シーズン、久保が在籍したマジョルカとかなり似ているデータだが、一つだけ決定的に異なる部分がある。
それはファウル数が異常に多いことだ。その回数は昇格した17-18シーズンから4シーズン連続でリーグで一番多い。あまり良くはないことだが、イエローカードの枚数も4シーズン連続で一番多く、データからもプレーの激しさが分かるだろう。
4. 注目選手
DF 2 ジェネ|トーゴ代表
「ヘタフェの象徴」(28歳・187cm 72kg・両利き)
今季、出場停止の1試合を除く全試合にスタメン出場。圧倒的なフィジカルで相手攻撃陣を封じ込めるセンターバックだ。プレミア各クラブから引く手あまただが、2023年6月まで契約を残している。
DF 22 ダミアン スアレス|ウルグアイ代表
「スペイン1部200試合超えのベテラン」(32歳・172cm 61kg・右利き)
ヘタフェ在籍6シーズン目を迎えるベテランサイドバックは昨シーズン、スペイン1部での通算出場200試合を達成した。得意のマンマークでボールを奪うと、必殺のアーリークロスを蹴りこむ。久保が加入し右サイドハーフを務めれば、コンビを組む可能性も。
DF 12 アラン ニョム|カメルーン代表
「右も左も、サイドバック・サイドハーフともにこなすファイター」(32歳・188cm 78kg・右利き)
本職は右サイドバックだが、ヘタフェでは人材不足により右サイドハーフをやることが多い。ニョムが務めているこのポジション、現段階では最重要補強ポイント?
MF 15 マルク・ククレジャ|スペイン代表
「バルサカンテラ育ちのワイドアタッカー」(22歳・172cm 66kg・左利き)
左サイドならサイドバックからウイングまでこなすサイドのスペシャリスト。昨シーズンはチームトップの5アシストを記録し、11月にはスペインA代表に初召集された。バルサカンテラで久保とはチームメイトだった過去も。
FW 7 ハイメ マタ|スペイン代表
「2年連続2桁ゴールのストライカー」(32歳・185cm 79kg・右利き)
昨シーズンはチームトップの11ゴールをマークし、2年連続で2桁ゴールを達成した。2トップを組むパートナーに合わせて能力を発揮できる、マルチな前線のリーダーだ。
FW 9 アンヘル ロドリゲス|スペイン
「円熟味を増すスーパーサブ」(33歳・172cm 68kg・右利き)
19-20シーズンの冬の移籍では、ブライスワイトと並んでバルセロナの獲得候補に挙がっていた選手だ。昨季は途中出場でのゴールも多く、チーム随一の勝負強さを誇る。
FW 23 クチョ エルナンデス|コロンビア代表
「久保の良き理解者」(21歳・176cm 73kg・右利き)
19-20シーズン、マジョルカで久保と共闘したアタッカー。機動力を活かしゴールに迫るスタイルは、同じコロンビア人のファルカオやバッカに通ずるものがある。再び久保とコンビを組む日はくるのだろうか。
最後に
今季のヘタフェは得点数が激減し、降格争いに足を踏み入れてしまっている。そこで、久保が補強リストに挙がったのだろう。
選手のレベルも高いビジャレアルで試合に出場し活躍できなかったのは残念だが、ここまで出場機会がないのであれば、移籍して環境を変えることも一つの選択肢だ。
もちろんヘタフェで簡単に試合に出られるかと言えばNOだが、ジェラールモレノやチュクウェゼらとポジション争いをしなければいけないビジャレアルと比べれば、チャンスは多いはずだ。
公式発表は秒読みとなっているようだが、果たしてどういう決着になるのか。目が離せない。